五里霧中
◆最終章◆

《君と僕の間で》




ひとりぼっちがキライだった。


両親がずっと一人に怯えていたから。


だからお友達を探した。


絶対に自分を裏切らない、そんなお友達を。


でも、『絶対』なんてこの世界のどこを探しても見つからなかった。


だから、自分が『絶対』になるしかなかった。



いつだって誰にだって可笑しな仮面を被って接する。


それがどれほど滑稽か、僕にはわからなかったんだ。


ボクは、幼すぎたんだ。



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