My Little Girl(加筆修正中)



「亜澄ちゃん…奏が怖いの?」

『ヒック なんか…こ、怖い』

また泣き出した。

亜澄ちゃんは、男の性(サガ)が分からない。

今まで奏に真綿に包まれるように大事大事に庇護されていたから…

男の本性を少しでも見せられたら…そりゃ、怖いだろうな。

それがまだ、俺ならそんなに怖がらないだろうが、亜澄ちゃんにとってのヒーローである奏だからな。

よけい怖かったんだろう。

「亜澄ちゃん、俺には会ってくれる?」

『ヒック』

「亜澄ちゃん」

『は、はい。 ヒック で、でも今日は、む、無理です』

「明日でいいよ」

『あ、明日 、く、クラブあります』

「サボるよ」

『だ、駄目です!奏ちゃんに』

「大丈夫だって!奏には内緒にするから。外より、亜澄ちゃん家がいいだろう?」

『……』

「亜澄ちゃん」

『ヒック… は、はい。ご、ごめんなさい。 ヒック…』

「謝る事ないよ。俺が勝手にお節介してるだけだから」

ほんと、俺こんなお節介野郎じゃないんだけど…

『はい。 ヒック』

こんなに 泣かれたら…しゃーないな。

「明日、奏が学校行ってからそっちに行くから」

『は、はい』

「亜澄ちゃん…何も考えずにと言うのは無理だろうけど、ゆっくり眠りな」

『はい。あ、ありがとうございます。 ヒック』

携帯を切った。

はぁ~

亜澄ちゃんの泣き声が耳に残ってる。

奏の馬鹿野郎が!あんないい子を傷つけるなんて…

だけど元の原因は何だ?




< 364 / 683 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop