期間限定恋愛
「私、保健室行くから。」
精一杯の笑顔を見せて、
教室の扉を開けた。
「……引き止めてくれてもいいじゃん。」
何の物音もしない教室の中。
静かな廊下に
私の足音だけが響く。
廊下を途中まで進んだところでやっと後から慌しい足音。
「茉莉香!」
聞きなれた声の、聞きなれない言葉。
からかいの延長で、私のあだ名になってる
『茉莉』じゃない。
「…聡……?」
振り返る前に後ろから抱きしめられた。
「さ、とし…?」
あまりに強い腕の力。
解こうとしてみたら、もっと強くなった。
「……聡…」
なんで?
私が泣いてたから、
だからこんなに優しくしてくれるの?
そんなの、いやだよ…
そんなんじゃなく、
私を見てよ…。
私を…