月に秘めた恋
病院の外には 光里が立っていた


「李生は?」


「・・・今 手術してる


子供を助けようとして・・・


それで車に轢かれて・・・」


光里は泣きながらそう言った


「とにかく・・・中に入るぞ?」


私達は 病院の中に入った


李生が運ばれた手術室の前の椅子に座る


まだ・・・ランプが付いてる


すると ランプが消えて


ドアが開いた


「先生・・・李生は!?」


湊君は そう言いながら


立ち上がった


「・・・残念ですが」


それって・・・助からなかったの?


ストン


バタン


私はその場で倒れて


気を失った


「未憂!?」


遠くから 湊君の声が聞こえる


目を開けると 白い天井・・・


「未憂?」


声のする方を見ると 湊君と光里が


心配そうな顔で私を見ていた


しばらく 呆然としていた
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