月に秘めた恋
ドクン


「・・・未憂」


「ごめんね? 変な事言って・・・」


そう言いながら 顔にかかった髪を


耳にかける


「なぁ・・・未憂」


「ん?」


「俺の事・・・頼って欲しい」


ぎゅ


未憂の震えている手を握った


頼りないかもしれない


「・・・湊?」


「頼りないかもしれないけど・・・


でも 何かあったら言って欲しいんだ


それと 言いたい事があったら言って?」


「・・・」


もしかして 今までずっと


我慢してたのか?


言いたい事・・・たくさんあったかも


しれないのに


俺は 自分の気持ちを未憂に


押し付けるような事をして


肝心の未憂の気持ちを


無視していたのかもしれない・・・


「・・・」


「言いたくないなら・・・いいよ」


無理して聞こうとしていた事に


気付いた
< 314 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop