月に秘めた恋

涙の想い

・・・日曜日


俺と未憂は 海に来ていた


ザザーン・・・


波の音が聞こえる


「・・・湊 ありがとう」


「え?」


「少しだけ 気持ちが楽になった」


そう言うと 未憂は笑っていた


だけど 手は少し震えているのが


わかった


海とはいえ 寒いからな・・・


しかも未憂は薄着だし


俺は着ていた上着を脱いで


未憂の肩に乗せた


「風邪引くだろ?」


「でも・・・」


「いいから 着てろ」


ザザーン・・・


他に海に来ている人は居ない


なんか寂しいな


「・・・なんか 私達2人だけの


世界みたいだね?」


「え?」


突然 未憂がそう言い出した


なんで・・・そんな事言うんだよ?


「周り 誰も居ないし・・・


静かだし・・・ 誰も居ないと


こんななのかな?」
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