月夜に舞う桜華
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(――――人の、気配。)
せっかく心地よく眠っていたのに、人の気配がしたと同時に醒めてしまった。
長年、人の気配に敏感だったから、そうそう治りはしない。鈍くなってくれればいいのに未だにその兆候は見られない。
「――!!―――!!」
(あぁ………煩いなぁ…)
一体誰が来たのか、全くあたしの睡眠の邪魔をしてくれるなんて良い度胸してる。
このままどこかへ消えてくれればいいのに、その様子は見られない。
仕方なく、あたしはゆっくりと目を開けて上半身を起こした。
「うるさ………」
一つ欠伸をしてからあたしは屋根の下を見下ろした。
そこには四人の男達がいて、あたしを見上げていた。