月夜に舞う桜華
(…………………)
はぁ、と心の中で溜め息をついた。
バチッと目を開ける。
(何な訳?)
チラッと図書館のドアに目を向ける。
そこには誰もいないけれど、その向こう側から殺気を感じる。
それは、昨日も受けたことのあるものだった。
(黒に銀のメッシュの男………)
何、あたし何かした?
こんな殺気を向けられる理由もないし、寝れないし………
このままじゃあ、せっかくだのにゆっくり眠れやしない。
「はぁー……」
あたしは、大きく溜め息をつくと立ち上がってドアに近づいた。
ゆっくりとドアノブを回して引いてみれば案の定そこに奴はいた。
「………」
「何か用?」
ギロリと睨まれた。
(えー……)