月夜に舞う桜華



理不尽だ。


銀のメッシュ男は、あたしを睨みながら何故か中に入ってきた。


「…………」


無言。


(まぢ、意味不明………)


はぁ、とため息をつきながらあたしはドアを閉めた。


中に目を向ければまるで我が物のようにでんっと居座っている。


まぢで何。


「一体何の用?貴方の睨まれる理由なんてないんだけど?」

「………昨日の質問に答えてねぇだろ」


やっと口を開いたかと思えば、スッゴクくだらないことを言ったような気がするのはあたしだけ?


「はぁ?」

「俺を無視するなんて良い度胸だな」


(あー……こいつ自己中)


やれやれと肩をすくめた。


「別に無視じゃなくて、答える必要がなかったんだよ」


< 21 / 310 >

この作品をシェア

pagetop