月夜に舞う桜華




ずっと和と桜姫と一緒にいた。


"皇蘭"はチーム名だと知ったのもこのときであまりにも少人数に爆笑したのを覚えている。


それから、時々喧嘩しながら、俺みたいな奴を見つけると仲間に引き込んで。
でかい"皇蘭"になった。


そこそこ有名だったし、桜姫と和のコンビは不動だった。








はずだった。


『………ず、和!』

『……あ?どうした?』


何時からだろう。
和から飄々とした笑顔が消えた。


代わりに物思いに耽るようになった。


『どうした?って元気ねぇな?』


首を傾け、様子を窺う俺に、何だ何だ?と数人集まってくる。


『どうした和さん』

『腹でも減ったのか?』

『酒か?』


口々に様子を窺う俺達に和は苦笑する。


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