月夜に舞う桜華



しかし、それほどに桜姫――椿が来るのを心待ちにしていたのもまた事実。


「えぇ、傷も癒えましたし………誰かさん達が煩いので」

「誰かさんって誰だよ?」

「さぁ?」


ニッコリと笑う晶に俺は、片頬をひくつかせる。どうも、この笑顔は苦手だ。


「わー久々に椿に逢えるんだなぁ」

「何ヶ月ぶりだ?」

「見舞いにもいけなかったしなぁ」


晶の報告を受けて、外のメンバーは浮き足たっている。
その姿に苦笑していると、懐かしい声が鼓膜を震わせた。





「――――相変わらず、賑やかだね」





バッと一斉に声のした方に顔を向ける。


そこには、咲夜と共に懐かしい椿の姿があった。



「「「椿!」」」


「うるさ………」


わざとらしく耳を塞ぐ椿の回りにわらわらと皆集まっていく。


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