月夜に舞う桜華



ごろんと寝転がる。
上を見上げれば、水色の世界が広がっている。
どこまでも続く空に、ぷかぷか浮いている白い雲。


雲ってどうやって出来るんだったっけ?
どうでもいいけど、


(あの雲に乗ってどこか遠くに行きたい………)


誰もいない場所に。


あたし以外の誰も――――あいつらのいない場所に。


(そしたら……)


ゆっくりと瞼が閉じていく。








そしたら、きっとあたしは―――……。

















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