王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

「教科書を見せてみろ」

「教科書? なんの? なんで?」

 予想外の言葉にふいをつかれ、疑問形しかでてこない。

 御影は、眼鏡の奥から覗く視線を鋭くさせた。

「話の流れを読め。数学の教科書に決まっている」

 この会話に流れなんてあっただろうか。

 綾菜にしてみれば全てが唐突。

「見せろと言うなら、見せるけど……」

 質問をさらにしようとすると、ギロリと睨まれる。

 綾菜は仕方なく、机に置いていた教科書を手渡した。

 これでも一応は勉強するつもりで図書室に来たのだ。途方に暮れるだけで全く進んでいないけれど。
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