王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~
「私、ほかのひとのことは無理に知りたいと思わないのに、久我さんだけは知りたいと思っちゃうんです。おかしいですよね」
久我は自身のことを言葉でも態度でもほとんど教えてくれない。
気にかけてくれているのは確かだが、こころは許してくれていないのではという思いが頭をもたげる。
どうしたら、このひとをもっと知ることができるのだろう。
どうしたら、もっとこころを寄せてもらえるのだろう。
「オマエ、なにか不安なことでもあるのか? 呆れたりなんか本当にしていないぞ」
瞳の揺らぎで感情を読まれてしまう。
こんなに気にかけてもらっているのに、それ以上を望むのは贅沢かもしれない。
でも、欲求を抑えられない。
「……久我さんが、自分のことを全然話してくれないのは、私に気を許せないからですか?」
「なにか、聞いたのか?」
久我の胸の中で、綾菜は小さく首を振った。
さすがに、離婚のことは口にできない。
「なにも……」
ごまかすことには慣れていない。
つい目を逸らすと、顎を掴まれ、顔を向けさせられた。