王子様はルームメート~イケメン彼氏とドキドキ寮生活~

 白い天井が視界に入る。

 綾菜はまだぼんやりする頭を振って、身体を起こした。

 ドアの窓から、駅員らしき制服のひとたちが見えるから、多分、駅の救護室なのだろう。

「大丈夫か? まだ冷や汗かいているぞ」

「……ひっ」

 綾菜は目を見開いたまま固まった。

 額に手が乗せられている。

 マシュマロみたいに柔らかい女の子の手じゃない。

 大きくてごつごつした男のひとの手。

「さ、触らないで……」

 震える声でようやくそれだけを口にした。

 気絶だけはするなと、自分に言いきかせる。

「ああ、悪い」

 男の手が離れた瞬間、綾菜はよろよろとベッドから離れた。

 失礼だとわかっているが、今は少しでも距離をおきたい。

「あ、ありがとうございました。もう、平気です」

 ドアぎりぎりまで移動して、綾菜はぺこりと頭を下げた。
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