色×iro~素顔のままで~
「わかった。気付いてくれなかったら、殺気送る」

「了解」

「殺気でいいんだ」

「うん。そこらへんは、正直、何でもいい」

何でもいいのか。

っていうか、ろくに聞いてないんだな。

今、顔見てわかった。

心ここにあらず・・・。

必死で、話を合わせてくれてる。

何か、いいのに。

遠慮しなくて。

「...こういうのは、いいのかな。今、独りにされたくない気分だから、帰るまで、オレに歩調会わせて、離れないで歩いててほしい...とかお願いするの」

ああ。

木田の言っていた『闇』が出現した。

「いいに決まってるでしょう。そんなの協定内だよ。木田さんに言われたよ。

連に助けを求められた場合は手を差しのべてオッケーなんだって」

「...木田さんは、オレがスイに何らかの助けを求めるであろうことがわかってたんだ」

「...そうだね」

「あのね、連、誰かに助けてほしかったら、すぐに言ってよ。あたしで足りれば、だけど。

あたしは、どうせ、遠い世界のイッセーさんに魂奪われちゃってるヒトだから、

こんなこと頼んで何か勘違いされても...とかいう遠慮もいらないからね」

連は、聞いてるのか、どうなのか、いまいちわからない。

でも、のろってした視線と反応で、

「じゃあさ、スイ・・・」

「何?」

「今度の日曜、一緒にどこか遠くに行ってもらえない?」

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