色×iro~素顔のままで~
「だから訊いたんだ。...イッセーを取るのは分かってるよ。

だから、口きかない、とか言うなって」

すみません。

ごめんなさい。

「まいいんだけどね。オレも逃亡するより、ライブがいいなって思って」

「連も行くの?」

「うん。

・・・急に決まったらしいよ。

他のバンドが出れなくなって、急きょ、代わりに出ることになった...って」

言って、連はしばらくじっとあたしの顔を見た。

それから、あたしに何か差し出す。

チケットだ。

「やる。日曜日、付き合ってやろうって思ってくれたお礼。...オレは一緒には行けないけど」

「本当!?いいの?チケットも。ライブに行っても?」

「いいよ。家にいたくなかっただけだから」

「わ、でも、またトモエ一緒にいけない日だ。どうしようかな」

「カイトに言っとこうか?」

「いいのかな」

「いいんじゃね?

あいつも絶対行くし、独りで行くのが好きなわけでもないから」

「あの・・・でも連は、どうするの?その日」

連はニッコリ微笑む。

「オレもそこにいるから。一緒に行けないだけで」

「そうか。なら、良かった。でも」

まだききたいことがあるのに、連は現われたときと同じように突然、背中を向けて行ってしまった。

何で、一緒に行ってはもらえないのか。

訊きたかったのに。
< 66 / 141 >

この作品をシェア

pagetop