射した光は暖かく
ジュースでドレスはシミて、髪もボサボサ。
挙げ句の果てには大食いのまるっきり庶民な麻衣子に周りは怪訝な表情を浮かべた。
麻衣子のジュースがついた顔は赤く染まった。
「そんな、急に言われても…」
チラッと横を見ると、先ほどの三人組が『弾けない』と馬鹿にしてるのが分かった。
『何だ!?断念か!?』
「―――やります!」
周りがざわめいた。
麻衣子はピアノがある舞台に登った。
「庶民でも貧乏でも、できねぇコトはねぇんだよ!!」
麻衣子は腰掛けるとレバーに足を乗せ、弾き始めた。
すると会場内の空気が変わった。
優しく穏やかな伴奏から細かく切ない旋律に変わる。
麻衣子は目を瞑って雪をイメージしながら弾いた。