アクシデントな恋
潤と美里を送り
自宅に帰った龍と寿麻
車から降りると
龍の顔を見ずに家に入りそのまま部屋に入った。
そんな寿麻の態度は気に入らなかったが…
龍は何も言えなかった。
何が原因で寿麻にあんな態度をとらせたのか解っていたからだ。
いつもの寿麻なら
こっちが聞きもしないのに
どこが楽しかったやら…なにが美味しかったやら話しているに違いない。
龍はリビングのソファーに座り、頭を抱えていた。
そんな龍を見て
お手伝いの時子さんが
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(初めてお目見え、お手伝いさんのトキコさん…
年齢は40歳半ば、以前は龍の父親の秘書をしていた。龍の両親が亡くなった後、自分から龍の世話役を願い出た。
未だに独身。)
心配して
「大丈夫ですか?どこか具合でもお悪いのですか?」
龍は顔を上げ
「大丈夫…少し疲れただけ…
時子さんにお願いしたい事が…
寿麻の好きなハンバーグの入ったグラタンを作ってもらえないかな?」
時子はニコニコしながら
「わかりました。
腕に寄りをかけてお作りいたしますね。 ウフフ…」
時子は嬉しかった。
今まで、龍が人の為に何かを頼んだ事がなかったからだ。