CHERRYlove
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scene1.変な女
「私のこと、嫌い?」
――…あーうぜー…
「何いってんの。ユミのこと大好きだよ。」
「私もだよ」
ニコニコ柔らかい笑みを浮かべる俺。テレながらも満面の笑みのユミ。
「授業始まる…じゃあね!」
割としっかり者のユミは、授業が始まる5分前には戻る。まぁ受験生だからな。
けっこーサボる俺には理解できねーけど。
「あの…!私、3年の神戸理乃です…佐山くんが好きです」
俺の女の条約…可愛い、サラサラの長い髪、年上、純情(単純)。
そう“アイツ”みたいな――…ダメだ、もう、思い出したら……。
…にしても、条約クリアだし、フツーにカワイイし。…アイツに似てる。
「俺も、ヒトメボレしちゃった。」
俺のこと好きなら、こんな言葉でコロッと騙されるだろ。
神戸理乃は目を少しうるうるさせて俺をじっと見る。
不覚にもその表情にドキドキする。
「本当に…?」