story【短編】
そんなある日、正貴君からメールがきた。


正貴君は一年の時から同じクラスで一度告白されたことがあったけど、友達でいようと言って断ってしまっていた。


メールがきて初めは気まずかったけど、友達に戻れるいい機会だと思って返事を書いた。


正貴君とのメールは毎日するようになった。


ただ世間話をしているだけのメールだったけど楽しかった。

「紗奈。俺と付き合って下さい。」


正貴君からメールがきた。


正貴君は優しくて、真面目で一緒にいてとても楽だった。


隼人といたらない感覚。


隼人といると辛くてたまらなかった。


私は隼人への想いに鍵をかけて正貴君に返信した。


「うん。」


その日から私と正貴君は付き合い始めた。


毎日メールはしたけど、一緒に帰ったり、デートをしたりはしなかった。


お互い運動部で忙しいこともあったけど、それより茜たちに知られたくないと言うのが心のどこかにあった。


だから部活が休みの日でも友達とわざと予定を入れたりしてしまった。


< 13 / 20 >

この作品をシェア

pagetop