story【短編】
大会は終わり、帰りのバスに向かって歩いていると、隼人のリュックに見覚えがあるものが付いていた。


青いミサンガ。


それは私が一年の頃隼人に作ってあげたミサンガだった。


まだ持っていてくれた事と、大事な高総体に付けてくれた事がうれしくて、隼人がとてもいとおしかった。


隼人の彼女になれなくてもいい。


だからもう誰とも付き合って欲しくなかった。


隼人が私にとって大切な人だから。





三年生は部活を引退し、大学受験に向けて勉強漬けの毎日となった。


私はできる限り隼人の力になりたかったから、勉強を教えたり、励ましたりした。


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