愛してるって言って欲しい━安藤里香の場合━
何?この足。太すぎて切りにくそう。

でも、やらないとね。

あ!!そうだ。もう、面倒だし両足一気に切っちゃお。

私は両足を揃えてから太ももにのこぎりをあてて切り出した。

グチャッグチャッ

太すぎてなかなか骨に行かない。

もう、何なのよこの足!!
私はムカついて彼女のお腹を蹴った。


ゲホッゲホッ
良い感じの所に当たったらしく彼女は一気に吐いてしまった。

━汚いわね。ほら、タオル貸してあげるから綺麗に拭きなさい。━

私はタオルを渡してからまた、作業に戻った。

ゴリッゴリッゴリッ

やっと骨に着いた。
長かったわね。5分もかかっちゃった。

腕が疲れた私はのこぎりを置き、足を思いっきり蹴った。

ゴキッ

鈍い音がしたがまだ取れない。

ゴキッゴキッゴキッ

もうちょっと。

だんだん楽しくなってきたわ。

ゴキッゴキッ

バキッ!!

やっと折れた。

残すは左腕だけ。

でも、ちょっと疲れたから休憩。

私は彼女をみて、

━少し休憩するからそこにある足、綺麗にしといてよね。━

彼女は無言で元、足のあった場所に転がっている自分の足を取ろうと動き始めた。

━プッ芋虫みたい。滑稽ね。━

私はこう言い、彼女を見ながら冷蔵庫にあったお茶を飲んだ。
< 9 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop