あなたの瞳
あらた
「直?…………疲れた?」
隣から私を心配そうにみつめるのは、私の一番大切な人。
私、間違っていた。
優姫を想うようになって、卓斗の瞳には私はうつっていないって思ってたけど。
卓斗は、やっぱり卓斗で。
いろんなことがあったけど、卓斗を好きなこの気持ちだけは、ずっと変わらなかった。
揺るがなかった。
「卓斗………。ねぇ、昔みたいに、頭を撫でて。」
卓斗は変わってない。
―直、悲しいのか?話して。俺を……頼って。―
いつも私を見守ってくれた卓斗。
そのことは全然変わってない。
ほら。優しい瞳が、真直ぐに私に向かってる。