ぼろぼろ家出ねこ
「おい,希咲ー」

涼の声が家中に響くなか,

「チッ,今いいとこだったのに。」

動きを止めた泰牙となのる男がボソッと呟く。

「つーか…家ん中に男いるのになんで沙希に頼むわけ?」

ビクッ

低めの声で問われたからなのか体が震える。
そんな……
沙希なんて人…知らないのに……


「あたし…沙希って人…知らないです…」

「………………………」

沈黙が続く。
泰牙っていう人は何か考えてるっぽい。

でもとにかくっ

「帰ってください!」

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