ぼろぼろ家出ねこ

ー希咲side

「希咲…!」

目の前には涼の姿。

「よかった…何もなくて…」

そういって抱き締めてくれた。
ほんとはあったんだけどね?
毎度迷惑かけてちゃね…

「………泣いて散歩してたのか?」

抱き締めながら問いかける涼。

鋭い。

「ほんとになにもなかった?」

ゔ………

「ないよ…」

目をそらしていうと

「そっか」

と笑ってくれた。
信じてくれた。
< 213 / 221 >

この作品をシェア

pagetop