ベンニ
「ダメよ。もう申し込んであるんだから。」


ベンニはテレビを唐突に消すと、レネの方に振り返った。その目は怒りに満ちていた。


「行かないって言ってるだろ。」



レネは我が子におびえていた。


クリスがいてくれたら…


レネは意を決してキッパリとした口調で言った。



「立ちなさい。行くわよ。」


ベンニは一瞬うなだれると、首をかすかに振り、立ち上がった。



ベンニはレネよりもはるかに背が高くなっていた。




「分かってないな。」


ベンニはそう言うと部屋から出て行った。
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