後ろ姿
「俺さ、ずっと教師をやってきたけどお前みたいな生徒初めてだったんだ。
何となく教師をやってきたけど、柳瀬に出会ってから本気で先生をやってみようと思えたんだ」
「先生・・・」
「柳瀬と過ごしていく中で俺は自分の中の気持ちの変化に気付いたんだ。
生徒相手にムキになったり、有紗とのキスを見られたくなかったりしたんだ。
俺はその理由が分からなかった。
でも、夏休みという長い間柳瀬に会えなかったことがすごく寂しく感じた。
それで俺はやっと自分の気持ちに気付けた」
「・・・」
「俺は柳瀬が好きだって」
「先生、私も好き!」

私たちはどちらからか分からないけど、抱きしめ合った。
強く強く抱きしめ合った。
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