【完】愛しい君は
あたしの足は立ち止まり、
動かなくなった。
ちがう、動けなかったんだ。
優太の隣で笑いながら歩く子。
それは紛れもなく、舞ちゃんだった。
「なんだ‥上手く、行ってるじゃん。」
震える声で精一杯強がった声は
優太には、届かない。
「今行ったら、完璧邪魔だ‥。」
そう呟きながらゆっくり歩く。
もう、なんなのよ。
せっかく帰ろうって思ったのに。
せっかく幸せな気分だったのに。
けど、全部悪いのは自分のせいで。
なにも行動せず逃げてたからで。
悔しくて、悔しくて、悔しくて