青騒-I SAY LOVE-


さてさて俺の知ったか話もこれくらいにして、ココロの付き合いで暫く服屋を堪能した後、俺達は近くの雑貨店に入った。


そこでこれまた目的なくぶらっと歩いてたんだけど、あるコーナーで俺達は足を止める。

そこはまさしく男の俺には不似合いな場所で、女のココロには似合う場所。

ファンシーなぬいぐるみコーナーで俺達は足を止めたんだ。


手芸が趣味のココロは、ぬいぐるみとかマスコットが大好きみたいで、「可愛い」ゆるゆるに顔を緩ませて人形を手に取っている。
 

特に売り場のウサギがお気に召したのか、大から小までウサギのぬいぐるみやマスコット、キーホルダーに目を向けていた。

テンションも若干上がってるみたいで、「可愛いですよね。これ」腕に抱いた大きいウサギを俺に見せてくる。


その姿が俺はかわ…っ、ゲッホゲホゲッ!

なんでもないです、はい。

男の本音がボロッと出そうになっただけです、はい。
 

俺はココロに同調して、相槌を打つ。

満面の笑顔を零すココロは、でっかいぬいぐるみを定位置に戻すと、長い耳を垂らしたウサギのぬいぐるみをしきりに手に取って可愛いと一笑。

耳が立っているウサギよりも垂れているウサギをお気に召したみたいだ。


熱心にぬいぐるみを見ている。
嗚呼ぬいぐるみ、欲しいんだな。


目が爛々輝いてるぞ。
 

……、……これはキタんじゃないか?


お、男…見せる時なんじゃ、そうだ男を見せる時がやって来たんだぞ、俺。
 

一番熱心に見ている垂れ耳ウサギ(小)のぬいぐるみのお値段を恐る恐る拝見。


……980円…、い、いける、大丈夫。

そっちのでっかいぬいぐるみは8千円とか、わっけわからん値段が記載されてたけど、これならいける。

ナニナニ、キーホルダーにもできます。うっしっ、もういくっきゃねぇぞ俺。


なんでか今のところ、田山圭太との思い出150円也になってるから、これで思い出をちょい値上げしてもらわないと俺の面子がっ。面子がっ!

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