クロトラ!-妖刀奇譚-

世界崩壊

× × ×


――まさに青天の霹靂。




沙市は15歳にして、この小難しい言葉を身を持って知ったのだった。







――実のところその言葉のはっきりした意味は知らない。


知らなかったが、その時沙市は、自分に起きたその出来事が"青天の霹靂"なのだと思った。









"霹靂"に出会ったとき、沙市はようやく通い慣れた県立高校の夏服に身を包んでいた。





期末テストの初日が終了し、これから勉強漬けにならざるをえない、おもしろくもない週末がやってこようとしていた。




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