ハッピーエンド
うっかり“好き”とか口にしなくて良かった。口にしたのが、聞かれたのが、“バカ”で良かった。
…まぁ、これも好きだと言っているようなものだけど。それでも直接口にしなかっただけマシだろう。
バクバクと動く心臓の脈を感じながら、胸を撫で下ろした。
「奈都、食べないの?」
「食べるー」
本当に、圭は鈍感だ。それとも、私の気持ちに気付いてないフリをしているだけなのかな。
圭の一挙一動に振り回されている女の子が、こんなに近くにいるっていうのに。
…バカ圭。
私の心は圭に奪われて、捕まって、離れられないでいるんだよ。もう何年も前から。