心友。~友達の彼氏をスキになった。~
サドルを掴んで、藍はさっきの悟の顔を思い浮かべていた。
マリアの髪に触れたときの
悟の真っ直ぐな眼差し―――
(あのときの悟、しっかり男の人の顔してた)
その顔を見たとき
自分の胸がトクン…と鳴ったのを、藍は思い出す。
「マリアもこれで落ち着くんちゃう? 案外お似合いやったやん、あの二人」
「いや無理やろ、一年のガキにそんな腕はない」
ズバッとシビアにユキが言い切った。
(そうかな…。ああいう目で見詰められたら、マリアかて本気になる気がするけど)
「頑張れよ、悟」
小さな声で藍が呟いた。