心友。~友達の彼氏をスキになった。~
「意外とええ子やったやん、悟」
緑の公園をつき抜けながら藍が荷台から声を張った。
「うん、期待してなかった分好印象でクリーンヒットやな」
「マリアのことスッゴイ好きなんやろなって思ったら、何か可愛くてたまらんかったわ」
「ははは、癒されるやんなぁ」
もうすぐ駅裏に続く小さな道に出る。
そこだけが緩い坂になっているので、ペダルを踏むユキが立ち漕ぎを始めた。
「降りよか?」
「全然平気!」