心友。~友達の彼氏をスキになった。~

藍がそっと横を見ると、壁にもたれた悟はこちらを見ずに、真っ直ぐ前を向いたまま満足そうに微笑んでいた。



「俺は藍が俺のことを好きでいてくれたら、それだけで泣くほど嬉しい」


悟はポッツリとそう言った。




次の瞬間……


藍が不意に身を起こし、片手でそっと悟の髪に触れると、もう一方の手を彼の頬に添えた。



ふわっと…悟の唇に、唇で触れる。



「わ、わっ?」


不意打ちに彼の顔が真っ赤になった。




「え、な、何今の?」


「………キス、かな?」



耳まで真っ赤に染めて藍が言った。





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