心友。~友達の彼氏をスキになった。~
「綺麗やな、藍の唇…」
低く掠れる声がそう囁いた。
それから悟は藍の肩から両手を離し、彼女の震える指先を左手でそっと包み込んだ。
藍の白い手を確かめるように見つめ、悟はその桜色の爪の先に……ちょこんと、キスをした。
「今度はもう…離さへんしな」
そう呟くと彼は藍を見て、照れ臭そうに笑った。
そうして悟はその手を繋いだまま体を起こし、壁を背にして藍の横に腰を下ろす。
「昔の怖かったことからも俺が守ったる」
ギュッと一瞬、合図を送るように自分の手の中の藍の手を、悟は強く握った。
「ゆっくりと気持ちが癒えていくかも知れへんし、そうじゃなくても…お前が恐いんなら一生プラトニックのままでも、俺は全然構わん」
「悟…」