心友。~友達の彼氏をスキになった。~
藍達は歩きのときでも公園道を帰ることが多かった。
駅へは遠回りになるが、公園には池もあり芝生の広場もあり凝ったデザインのベンチもある。
木々の緑と季節の花々が風に揺れ
空まで青く、高く感じた。
「新しい彼氏、一年生やろ?」
「一コ下か、とうとう一年にまで手ェ出しよったな、マリア」
「え、前も一年と付き合っとったやん」
藍が笑う。
「そうやったっけ? もう覚え切らん!」
「今度の子は卓球部やて」
「うわ、何でまた…」
二人の額に汗で貼り付く髪をフワッと巻き上げて、心地よい風が渡っていった。
「あっ、マリアやん。男とおる!」
突然ユキが素っ頓狂な声を上げた。
「えー、どこどこどこ?」
荷台から藍がグイッと身を乗り出す。