電話が鳴った。

「今が何時か解ってるのか?」

そう言うと、
相手は悪びれた様子の感じられない声で謝った。

『ゴメンゴメン。
 そっちは今何時だか解らないからさ』

こっちは日が差していて暖かいよ、とそう言った。


「こっちは真夜中だ。
 っつかお前よく電話かけてくるよな。
 来れるか?って」

『だってさ、
 他に話相手がいないんだもの。
 しょうがないじゃん。
 暇なんだよ』


聞こえてくる声は、
いつもと変わらない。
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