電話が鳴った。
受話器を手に取る。

『ねぇ、
 今からこっちこれない?』

真夜中に鳴った電話をとると、
奴はのんきな声でそう言った。

丑三つ時を過ぎた頃で、
もう明け方も近く、
家の中はしんとしていた。
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