龍馬、時々女子高生。
記憶の一致
それから一瞬、辺りが静まり返った。

そして観衆が一気に沸きあがる。

様々な歓声や拍手、口笛も聞こえる。


「やったー!」
「すげぇ、誰なんだあの子!」
「犯人ざまぁみろ」


膨れ上がった人々の熱気が、ビリビリと空気を震わせる。

まるで映画のワンシーンみたい。

そこへ今頃になって来た警官数人が、オッサンに手錠をかけて連行した。


鳴り止まない歓声の中で、龍馬は私に言った。

「大丈夫?ヒカリ!」

「うん、なんともないよ。アリガトウ~龍馬ぁ」

「…良かった。助けられて!これでようやく約束を果たせたね、ヒカリちゃん」


「…約束?…ヒカリちゃん?」









ー こんどはわたしがたすけてあげるね ヒカリちゃん ー




「あーーっ!」



全部思い出した。


小学生の時に交わした、龍馬との約束。


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