leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
 ぎょーさんいてる人の中、同じ日同じ時間に、しかも打ち合わせてもないのに知り合いに会う確率なんてめっちゃ少ないはず。

 見つけたとしても、人の波に押されて一方通行に見掛けた、ってゆーんがせいぜいやろう。

「和紗……」

 和紗に会うのはあのクリスマス以来――。和紗の手を乱暴に振り払った事に対してのフォローのメールも結局は送れずじまいで、気まずさを残したオレとは対照的に、和紗は特に気にしてる様子はなさそうな雰囲気。

「もう体大丈夫なん? それに珍しいやん。健ちゃん、人込み嫌いやのに」

 さすがは幼馴染み。離れてる時間が短かろうが長かろうが、オレの事を和紗は今でも一番良く知ってくれていた。

「お、おぉ。体はバッチシ元気。…………………………あ~…………、あのさ…………」

 ちょっとした沈黙が重い。謝らなアカン……でも言葉に詰まってなんて言おうか迷ってる時、「ごめんッ、健ちゃん」と、逆に和紗に謝られ、呆気にとられた。

「な、なんや、和紗? ごめん、て何の事や?」



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