leicht bitter~bitter sweet続編 side 健一~
「え……?」

 隣に座ってる事でさえ、心臓が口から出そうな程緊張してるのに、本人を目の前にしてそれを言え、と。

「無理なら……」
「いえッ! 大丈夫!」

 ぐるぐると思考を巡らす中、せっかくゆきなちゃんが話しかけてくれてるのに無下に断るなんて失礼や。……ええい、恥かきついでやッ!!

「えとっ……オレの理想は、純真無垢って感じの清楚なお嬢様風でッ」

「具体的には?」

「ぐ、具体的にっすか!? え……っと、そう! そこら中にいてる女みたいに化粧とか派手じゃなくて香水臭くもなくておとなしくて、上品で……オレがおらなアカン様な、思わず守ってあげたくなるようなタイプの子、が理想です……」

 じーっ、とオレの方に顔を向けて、話を聞いてたゆきなちゃんが「……その理想、崩したげよっか?」と、口にした。

「え、崩……?」

「うん。確かに私、お化粧得意やないし香水も匂いのキツいのは鼻につくから嫌い。

 だからっておとなしくはないし、まして上品なんて程遠いし、何よりただ守られてるだけの“お姫様”みたいな扱いされんの大ッ嫌いやのよねぇ」




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