お兄ちゃんです。


「ただいま〜・・・ってあれぇ??」


─────・・・あれ??お母さんの声がする・・・もう朝??



「朝!?!?」

がばっと起き上がるとお母さんがふわふわ笑っていた。
辺りを見回すとそこはリビング。

昨日あのまま寝ちゃったんだ。


「あ、ゆうちゃんおはよ〜」

「お、お母さん、今何時!?」

「今〜??ん〜とぉ・・・7時半くらいかな??」

「7時半!!!!」

今日も遅刻なんてそんなのやばい!!

ばたばたと起き上がり、支度を始める。

「あ、あっくんも起こしてあげなきゃ〜。今日授業午前からって言ってたし」

「・・・授業??大学??」

「そ〜だよ〜。なんかすごいとこなんだってぇ!!」

「へ〜・・・」


あさひくんはまだ寝ていた。

本当にやっぱりイケメンだ。
モテるんだろうなぁ。
彼女とかいないのかな。
いそうだな。

って!!!!なに考えてんの!?
関係ないし!!今は学校行かなきゃ!!!!


お母さんがあさひくんをゆさゆさと揺する。
眉毛がぴくっとして、顔が歪む。
んぅ〜と息を吐いて、大きくのびをした。


なぜかあさひくんの一挙一動に目が離せない。
寝起きのあさひくんに少しドキドキする。


なんかかわいいな・・・・。


ってええええい!?!?


「学校行かなきゃ学校行かなきゃ学校行かなきゃry」

呪文の様にぶつぶつ言いながらひたすら支度をした。

なるべくあさひくんは見ないようにしよう。
ドキドキするのは今まで女だけで暮らしてきたからだ。きっと。
家に男の人がいるなんて今までなかったからだ。きっと。


そうだ、絶対!!!!!!


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