君を想うとⅢ~True love~


「俺は俺のしたいようにする。我慢なんてもうしねぇ。」




そう言って。
しゅーちゃんは少しだけ体を離すと、私の髪に指を絡ませて…
大胆不敵にニヤリと笑う。






「伊織。
俺がただの男だってコト…早く思い出せ。
俺はお前の兄ちゃんなんかじゃないんだぜ??」








その強気な笑みに
不倫理な私の心臓がドクンと激しく波を打つ。




それと共に急速に熱くなる顔のほっぺた。









ヤバい……
きっと今の私、りんごみたいに真っ赤な顔してる。








そんな情けない顔をしゅーちゃんに見られるのかと思うと…
恥ずかしくてやりきれない。








いたたまれなくって、顔を隠すように下を向くと


「可愛い、伊織。
真っ赤になってる……。」



そう言って微笑んで
しゅーちゃんは私の髪の束にキスをした。







そして……
今まで見たことのないくらい妖艶な笑みを浮かべて、こう言った。







「伊織、忘れんな。
お前にオトコを教えてやったのは…、他の誰でもねぇ。この俺なんだぜ?」






彼の放つ、そんな強気な言葉に思わずカラダが硬直する。






こんな強気なしゅーちゃんを私は知らない。

こんな大人っぽい顔をするしゅーちゃんを私は知らない。








目の前にいるしゅーちゃんは、まるでよく知ってる他人のように思えた。




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