君を想うとⅢ~True love~

動かなきゃ始まらない




桐谷慎と話すキッカケもないまま。
しゅーちゃんとの答えも出ないまま、時間だけが過ぎてしまって。



気づくと日付はしゅーちゃんの渡航する日の一週間前に差し迫ってしまっていた。





「寂しいなぁ…。
あと一週間で藤堂くんは行っちゃうんだね…。」


「もー、田中さん!!これは一生モノの別れじゃないんですから。
またこっちに戻ってきたら連絡しますから。」




しゅーちゃんLOVEの田中さんは本当に寂しそうで。
今まで以上にしゅーちゃんのデスクに現れるようになってしまっていた。





…ううん。
田中さんだけじゃないね。

広報部のみんながしゅーちゃんとの別れを寂しがってる。





きっとそれはしゅーちゃんの人徳の成せる業なんだろう。
素直で明るくてみんなに優しいしゅーちゃんは、みんなから愛される。





私は…そんな彼を見る度に彼が眩しくみえて
“あぁ、私はこの人のこういう部分に魅せられてるんだな”
と実感する。




< 120 / 569 >

この作品をシェア

pagetop