君を想うとⅢ~True love~


欲しいモノを正直に欲しいと言う桐谷慎。


ヤキモチ妬きで
束縛が大好きで
ちょっと私がしゅーちゃんと喋っただけで、不機嫌になって…


ベッドの中で
“高宮がどれだけ俺に惚れてるか、ちゃーんとわからせてあげる”
と執拗に私を攻めあげた桐谷慎。




そんな彼は…
今はもうどこにもいない。




ねぇ、桐谷慎。
なんであの時みたいに私をさらってくれないの?


あなたが私をさらってくれたなら、私はいくらだってあなたについていくのに。








…なんてね。
私って…やっぱりズルい女だ。
今までどれだけ桐谷慎に甘えていたのかがよくわかる。


桐谷慎はいつも先回りして私を好きだと叫んでくれていたから
私はただ漫然と彼を待っているだけでよかった。






“愛されてる”





その実感が心地よくて
甘えるばかりで…

きっと私は何一つ、あなたに返せていなかった。





“私が幸せにしてあげる”



なんて大口叩いておきながら、私は桐谷慎に甘えてばかり。


幸せにして貰ったのは…私のほうだ…。

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