君を想うとⅢ~True love~
そして……
部長は伊織に別れを告げた。
「私を…捨てるの…?」
「違うよ。」
「私が…しゅーちゃんを選ぶと思ってる?」
「…うん…、少しね。」
「私を…信じてくれないの…??」
「まさか。
信じてるから。愛してるから、この手を放すんだよ。」
あのセリフを伊織に残して、部長は医務室から静かに出てきた。
そして…
「今度こそお互いに遠慮はなしだ。」
「恨みっこもなしっすよ?」
「…もちろん。」
俺たちはまた伊織を巡って火花を散らすコトになってしまった。
部長が俺をライバルだと認めてくれたこと
スタートラインに立たせてくれたことはありがたかった。
だけど…
自信なんてこれっぽっちもなければ、勝算なんて何もなかった。