君を想うとⅢ~True love~
「桐谷慎……。」
「好きだよ、高宮。
ズルくてしたたかなお前を見ると…、正直ウッとくるけどねぇ。」
そう言って私のオデコにキスをする桐谷慎を見て……私の涙腺はゆるむ一方。
私の子どもっぽい考えや、子どもっぽい独占欲や、理解不能なワガママを全て桐谷慎は受け入れてくれた気がした。
汚ない、ズルい私も好きだと言ってくれる彼の愛に泣けてきた。
伊織。
アンタぜいたくだよ。
こんな風に愛してくれる人、他にいる??
こんなに深い愛情をくれる人、他にいる??
この人を傷つけたくない。
もうこれ以上、答えを先伸ばしにはしたくない。
私は…
彼じゃないとダメなんだ。
彼がどう思ってるかが重要なんじゃない。
私が。
私自身が桐谷慎じゃなきゃ…、桐谷慎じゃなきゃダメなんだ…。
そんな単純な答えを導きだすのにずいぶん遠回りしてしまったけれど……
そう気づいてしまったら最後、私の恋心はとどまるコトを知らない。
堰を切った水のように、彼への想いが溢れだしてカラダ中が熱くなる。