君を想うとⅢ~True love~
早坂さんからのメールも確認したい。
だけど…今はしゅーちゃんと話をする方が先だ。
でも…
どうきっかけを作ればいい?
どう切り出せばいいんだろう…。
これから始まる修羅場を想像して気が重くなりながら、腹をくくる準備をしていると
「どうした?伊織。
こういう返事は早くした方がいいぞ?早くオフィスに戻れ。」
フッと笑いながら、しゅーちゃんが廊下の向こうを指差す。
その指先には“早く行け”と言われているような気がして。
なんだか胸の中がザワザワして落ち着かない。
「で、でも!!
私、しゅーちゃんに話したいことが……!!」
勇気を振り絞って、きっかけをつかもうと言葉を発すると
「伊織!!!!!」
しゅーちゃんは厳しい顔をして、私をグッと睨み付けた。
えっ??
意味がわからなくて。
しゅーちゃんのその厳しい瞳に驚いて一瞬怯むと
「伊織。お前は今どこにいる?会社だろ?
それならプライベートと仕事を混同すんな。」
「…え…??」
「俺は今、ビジネスの話をしてんだよ、伊織。
クライアントからの連絡をおざなりにすんじゃねぇよ。」
キッパリとした口調で。
しゅーちゃんはそう言いきった。