君を想うとⅢ~True love~

彼の背中に追いつきたいから




しゅーちゃんと桐谷慎と、オフィスの廊下で別れてから10分後。






『あ、もしもしイブ?』


「もう!!何回言えばわかるんですか、早坂さん!!
私には高宮伊織っていう本名があるんですよ!!??」



『固いコト言わないでよー。一瞬でいいから懐かしのお兄ちゃんごっこさせてよー。』



「…~っ!!させませんっ!!!!」






私は早坂さんと電話をしていた。








お忘れの方もいらっしゃるかもしれませんが、早坂さんは桐谷慎の幼なじみ。


妹であるイブを想うあまりに私を誘拐・監禁したという黒い過去をお持ちの男性です。






しかもSGスイミングスクールのオーナーで桐谷慎の黒い策略に巻き込まれ、ちょっぴり大変な毎日を過ごしている…という若き経営者でもあります。







ま。
すったもんだはあったけど…SGの仕事はお手伝いをさせてもらう機会が多くて、早坂さんともご一緒する機会が自然と多くなり。


今では早坂さんは気心の知れたお兄ちゃんのような存在になっていた。
(いきすぎた愛を押し付けられる時もあるけども。)




気さくで男気溢れる早坂さんはすごく素敵で。
こんなお兄ちゃんと超絶イケメンの桐谷慎に挟まれて育った早坂伊吹(イブ)を私は少しだけ羨ましく思ったりしてしまう。






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